エロマニ EROMANI 手軽で抜けるエロゲーレビュー
なつのさがしもの(ぺこげーすたじお)のカバービジュアル
  • ADV
  • ドット
#おねショタ#日常/生活#ラブラブ/あまあま#断面図

なつのさがしもの

全編手描きドットで描く感動系のひと夏ADV。エロはおまけと割り切れ——抜き目当てなら回れ右だが、夏休みの物語として買うなら値段以上

総合 3.3 佳作
  • 抜き度 2 /5

    実用性。エロの密度・抜けるか

  • ゲーム性 4 /5

    システムの手応え・作業感

  • やりやすさ 4 /5

    難しすぎず遊びやすいか

推せる点

  • ストーリーの評判が圧倒的。「エロ目的で買ったのに泣いた」という報告がDLsite・FANZAの両方で繰り返し出てくる感動系で、終盤には物語の見え方が変わる仕掛けまで用意されている
  • 全イベント・全エッチシーンが手描きドットアニメで進行。ゲームボーイ世代に刺さる懐かしい画面が夏の田舎の空気とよく合っていて、没入感の評価が高い
  • 釣り・虫取り・豊富なサブイベントと、探索するほど見つかる小ネタで「なんてことない夏休み」を過ごす体験そのものが作り込まれている
  • 全編マウスのみの片手操作・回想部屋完備と、システム周りは同人ADVとして十分に親切

気になる点

  • エロは明確におまけ。行為はあっさりめで実用性は弱く、ストアレビューでも「一本の小説、エロは添えるだけ」と抜き目的の購入には釘を刺す声が多数
  • ヒロインごとのシーン数に差があり、推し次第では物足りなさが残る
  • 泣きゲー寄りの重めな展開が後半に控えており、ほのぼのズコバコな夏休みを期待して買うと面食らう
  • BGMの音量バランスなど細部の粗さに処女作らしさが残る

夏休みの8月、叔母のいる田舎に遊びに来た少年・なつが、釣りや虫取りをしながら村のお姉さんたちと交流していく探索型ADV。サークル・ぺこげーすたじおの処女作ながら、DLsite 4.68・FANZA 4.66(29件)と両ストアで高評価が並ぶ。ストアレビューを横断すると評価の構図は驚くほど一貫していて、**「エロ目的で買ったらストーリーで泣かされた」**という証言がとにかく多い。逆に言えば、抜きゲーとしての期待値で買うと肩透かしを食う作品でもある。

抜き度 — 2 / 5

先に断っておくと、本作をエロ目的で買うべきではない。ストアレビューでも「エロはおまけ程度」「一本の小説、エロは添えるだけ」「行為があっさりで実用に乏しい」と、購入者自身が次の人に釘を刺すコメントが並ぶ。シーン内容は睡眠・お風呂・お姉さんに教えてもらう筆下ろし系など、おねショタらしい純愛・和姦一辺倒。NTRや凌辱は一切ない。ただし質の方向では見るべきものがあって、エッチシーンも含めた全編が手描きドットアニメで動く。ミニキャラもCGもよく動き、キャラごとにプレイのテーマ(クセ)が変わる作りで、「ドットエロが好きならむしろ刺さる」という層も確実にいる。ドット絵の性癖があるなら+1して考えていい。

ゲーム性 — 4 / 5

本作の本体はこちら。昼間は田舎を歩き回って釣りや虫取り、夜はお姉さんたちとのイベント——という「なんてことない夏休み」のループが丁寧に作り込まれていて、行ける場所が少しずつ広がる探索の引きが強い。サブイベントが豊富でキャラの掛け合いも生き生きしており、「朝4時までぶっ通しでプレイした」という報告が出るくらいには没入させられる。そして評価を決定づけているのがストーリーで、ほのぼの夏休みものと思わせておいて、終盤で「ゲームであること」を活かした仕掛けとともに物語の見え方が変わる。詳細は伏せるが、「攻略も何も見ずにクリアしてほしい」「もはや泣きゲー」という声が両ストアで繰り返されているのは伊達ではない。傑作と持ち上げるにはボリュームも規模も同人サイズだが、この価格帯のADVとしては十分すぎる密度だ。

やりやすさ — 4 / 5

RPGツクールMV製ながら全編マウスのみの片手操作に対応。ゲームパートも難しい要素はなく、好感度を上げてイベントを回収していくだけなので詰まりどころは少ない。回想部屋も完備で見逃しにも対応できる。1日のサイクルがさくさく進むテンポの良さも好評だ。減点要素は細部の粗さで、探索中とイベント中でBGMの音量バランスにムラがある、ヒロインによってシーン数に差がある、といった処女作らしい引っかかりがストアレビューでも指摘されている。致命的なストレスはない。

総評

「ちょっと懐かしい」をテーマに全編手描きドットで作られた、夏休みそのものをパッケージしたような一本。エロゲーとしての実用性は低く、抜き目的の購入なら素直に別を当たるべきだが、ひと夏の物語として見たときの満足度は定価2,200円を明確に上回る。派手さはなく、傑作と呼ぶには小さくまとまっているものの、遊び終わったあとに夏の終わりのような余韻が残るタイプの良作。ドット絵と感動系に少しでも反応するなら、セールを待たず手に取っていい。ネタバレを踏む前に遊ぶことだけは強く勧めておく。